限定版の謎



深夜にテレビをつけていると必ずといっていいほどやってる番組があります。そう、通販の番組です。あれ世界中で同じようなのをやってるってご存じでしたでしょうか?いろんな国に対応できるよういろんな人種の方々が商品の良さをアッピールします。自分のように興味のない人間からすればくだらねぇと思ったりもするのですが、逆もまた然り。そういものに興味をそそられる人たちからすればカビの生えたような楽譜や本を血眼になって探して集めているなんて到底理解してもらえないでしょう。結局趣味の世界なんてそういうもんです。そんな深夜の通販ですが、見ていると非常に巧みに視聴者の購買意欲をそそる演出がなされてます。そう〈限定品〉なんてその代表です。たかがライターだろうと思ってみてたものが「世界限定500個」なんて言われたとたん後光がさして、世界中で500人しかオーナーになれないのかと。その中の一人がオレかよと。何だか分かんないうちに自分の中で価値が上がってたりするわけです。

完全復刻版・ショパン自筆楽譜集さて、この〈限定品〉ですが大きく分けて2種類あります。一つは「地域限定型」。これはお菓子なんかでよくありますが「九州限定・めんたいこ味」なんて、別にめんたいこなんか好きでもないのにそこでしか食べられないとなると、本当はそんなこともないのですが、美味そうだなと、食ってみたいなと、不思議とそう思ったりするわけです。楽譜の世界ではどうかというと、そんなに古い話でもありませんが、とあるピアニストがショパンのホ短調の協奏曲・ピアノ5重奏版を演奏したときに、会場で楽譜を販売していたようです。一応その会場でしか入手できないということで「地域限定型」といえるのではないのでしょうか。この楽譜は現在は販売停止ということです。レアものアイテムということになるのでしょうか。

もう一つは「数量限定型」。限定品というと大体これをさすと思うのですが、限定何個という言葉の魔力は先ほども述べたとおりです。楽譜の世界ではベートーヴェンの時代くらいまでは各国の王室に新曲のオーダーをつのっていたようで、当然ゴージャスな装丁の初版ということでその価値はいうまでもありません。

最後に限定品のショパンの楽譜を紹介します。『完全復刻版・ショパン自筆楽譜集 フレデリック・ショパン協会、グリーンピース出版会』です。内容は「第1巻 完全な形で残っている自筆楽譜」「第2巻 自筆スケッチ及び部分」「第3巻 ポロネーズト短調 ショパンが7歳で作曲した最初の作品、初版楽譜」です。大げさな段ボールに入り、自分も滅多に箱から出しません。こちらはサモン版とは違いショパン協会刊行ということで最新の研究の成果が反映されているはずという点が重要でございます。内容もそうですがお値段も大変でございました。全3巻(32曲123シート)演奏会用楽譜(写真左)・解説書付、生誕180年記念出版・限定850部です。でもこれって一県あたり20人近くの人が持ってるってことか・・・。

Content

このサイトについて
ピアノの詩人ショパンの文献目録です。ショパンに関する書籍を著者名、出版社名、発行日、ページ数とまとめて紹介しています。また海外の珍しい古書や楽譜なども紹介しています。